法事とは何をする?法要との違い
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納骨堂辞典 > 納骨堂コラム > お墓・お葬式・供養 > 成年後見人の制度とは | 後継ぎがいない場合は誰が納骨堂に遺骨を入れてくれるの?
独身を通していたり、子どもがおらず配偶者に先立たれてしまったりなどして後継ぎがいないと、「将来、自分の遺骨を誰が供養してくれるのか」と悩むことになります。永代供養をしてくれる納骨堂を見つけたとしても、はたして誰が納骨堂に自分の遺骨を入れてくれるのかと不安に感じるでしょう。「成年後見人にやってもらえばよい」という話もよく聞きますが、果たして本当にそうでしょうか。成年後見制度について詳しく解説します。
超高齢社会となった日本において、認知症患者はこれからますます増加すると見込まれています。そんななか2000年に民法改正によって生まれたのが、認知症、知的障がい、精神障害などによって判断力が十分でない人に代わり成年後見人が財産の管理等を行える「成年後見制度」です。成年後見人になれるのは親族のほか弁護士、司法書士、一定の研修を受けた市民後見人などです。成年後見人は、本人に代わって財産管理を行うほか、医療や介護におけるサービスの選択や契約手続きを援助します。認知症患者は症状が進むと金銭管理ができなくなり、消費トラブルや自分にどういった医療や介護が必要かがわ分からなくなってしまいます。こうした高齢者の財産を守り、健康を維持するために成年後見制度が有効なのです。
「成年後見人には生前のことをお任せできるのだから、死後のこともやってくれれば安心」と考える向きもあるでしょう。しかし、成年後見人は本人の死亡と同時に権限を喪失し、一切の業務ができなくなるというのが以前の法律で決まっていました。このため、身寄りのない認知症患者などについては、遺体引き取りの手続きなど死後すぐに発生する事務を誰も遂行できないという問題がありました。そこで2016年10月に施行されたのが、「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」です。
参考文献:法務省:「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が平成28年10月13日に施行されました。
この法律により、被後見人の死亡後もとり急ぎ必要な火葬に関する契約や、相続財産保存に必要な行為を成年後見人が行うことが可能になったのです。法律として葬儀を行える権限までは与えられていませんが、成年後見人が納骨堂へ遺骨を持ってゆくことについては、家庭裁判所がその必要性を考慮したうえで諾否をくだすことになります。
成年後見制度は、基本的に認知機能が低下した人の代わりに判断する人を決めるための制度です。つまり、判断能力がはっきりとした段階では使えません。誰もが認知症になるわけではないため、死後の事務手続きをしてほしいという希望があるだけで成年後見制度を利用しようとするのは、あまり適切ではないといえるでしょう。そこで、身寄りのない人が第三者に死後の手続きをお任せするためのものとして、「死後事務委任契約」というものがあります。これは葬儀やお墓の準備、未払い金の精算、電気・ガスなどの解約など死後に生じる諸手続きを委任できるものです。死後事務委任契約は誰とでも結ぶことができますが、身寄りのないおひとりさまにとって、友人などに頼むには負担が大きすぎると考える人が大半でしょう。プロとしての担い手は行政書士や司法書士など法律家が主で、公正証書で契約書を作成することになります。つまり、これらのプロに死後事務委任契約を結んでおけば、自分の遺骨がいつまでも納骨堂などに安置されないといったことは避けられます。
成年後見人には2種類があります。1つは「法定後見人」で、判断能力が低下して不十分になったことにより、家庭裁判所に選任の申し立てをすることによって後見人が選任されるものです。このとき、申し立ては本人でもできます。しかし植物状態であるなどであれば、もちろん本人には申し立てができませんから、自分にとって好ましくない人が後見人になる可能性は否めません。
一方、もう1つの「任意後見人」であれば、自分が健康なうちから後見人を指名しておくことが可能です。また、与える権限についてあらかじめ決めることができるため、財産管理や介護、医療についての希望や注意点を詳細に伝えておくことができます。任意後見人の仕事ぶりは家庭裁判所が選任した任意後見監督人がチェックするため安心です。自分が認知症になったときのことも、死後のことも、元気なうちから考えて行動することが肝心といえるでしょう。
もし老後をひとり暮らしで過ごしているようであれば、この「成年後見人制度」を活用しておけば、死後の遺骨の心配などが少なくなるかもしれませんね。
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