墓じまいでよくあるトラブル事例3つ
お墓の継承者がいない、お墓がある場所から遠方に住んでいるため、管理が大変という理由から墓じまいをする方が増えています。しかし、無縁墓にならないようにと墓じまいをするつもりが、思わぬトラブルに発展してしまうことが多々あるようです。今回は墓じまいにおけるトラブル事例について紹介します。
納骨堂辞典 > 納骨堂コラム > 用語・豆知識 > 仏教の歴史と宗派の特徴について~奈良・平安・鎌倉仏教~
仏教にはさまざまな宗派があります。ここでは、インドで興った仏教が中国を経て日本へやってきた歴史とともに、日本における伝統的な仏教の十三宗と、奈良時代に栄えたいくつかの宗派について解説します。
仏教は約2500年前(紀元前5世紀)に、インド北部ガンジス川流域で釈迦が提唱し誕生した宗教と伝えられています。仏教では釈迦の解いた教えに従い、修行や解脱(俗世界の縛りや苦しみなどから解放されること)を成道(悟りを開くこと)することを目標としています。その釈迦の存命中から死後約100年まで(紀元前3世紀)の仏教を、「原始仏教(根本仏教)」と呼びます。マウリヤ朝第3代アショーカ王の時代に仏教等の宗教が奨励されたことにより、急激に仏教は広まっていきます。しかし、戒律の解釈について対立が起こり、仏教は大きく二派に分かれることになります。この時代の仏教を、「部派(ぶは)仏教」といいます。更に紀元前後になると、インドの北西部で新しい仏教を提唱する大衆運動が起こりました。この運動を推進した人たちは、自分たちの教えを大きな乗り物にたとえ「大乗(だいじょう)仏教」と呼びました。
仏教は何百年もかけてインドから他の国々に広まっていきました。このうち、スリランカやタイなどに広まっていったものを「南伝仏教」、中国を経て日本まで伝わったものを「北伝仏教」と言います。隋・唐の時代になると、研究はいっそう盛んになり、いろいろな学派や宗派がおこりました。
中国を通じて朝鮮半島の国々、そして日本にも仏教は伝わりました。奈良時代になると、当時全国に蔓延した飢饉や疫病から国を守り国家安泰を願うという想いから、聖武天皇によって全国に国分寺と総本山として東大寺が建立されました。東大寺にはいくつもの宗派や学派の僧が集まり修行が行われ、やがて正式に認められた六つの教えが「南都六宗(なんとろくしゅう)」とされました。この南都六宗について詳しく見ていきましょう。
法相宗は奈良時代に最も栄えた教えで、三蔵法師として有名な玄奘(げんじょう)が唐(当時の中国)からインドに留学して学んだ教えです。法相宗は、人間のこころ、意識について研究する、唯識(ゆいしき)派の流れを汲んでいます。これを日本の道昭(どうしょう)が入唐留学で玄奘に師事し、帰国後法興寺で広めたとされています。倶舎宗は、智通・智達が入唐し日本に伝え、法相宗を広めた道昭などが東大寺で研究された南都六宗の一つでありますが、法相宗の付属の流派と考えられ独立した宗教には至りませんでした。
三論宗は、三つの論を専門に研究する宗派です。『般若経(はんにゃきょう)』の空(くう)を論じた『中論』『百論』『十二門論』の三論に基づくのでこの名があります。成実宗は、成実論(じょうじつろん)という論を専門に研究する学派です。三論宗の付属の流派と考えられていました。
華厳宗は、『華厳経』を中心とした華厳経典をその教えの中心に据えた宗派です。この世にあるものはお互いに関係しあい、無限に重なり合っていて、その融合した宇宙全体が毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)であるということが教えの基本となっています。東大寺の大仏は、この毘盧遮那仏です。
律宗は、戒律の研究と実践を行う宗派です。一般の人が僧侶になるために戒律を誓う儀式には正式な僧侶が何人も立ち会う必要があったので、聖武(しょうむ)天皇は中国から僧侶を呼ぶことにしました。これに応じる形で来日したのが、日本の律宗の開祖、鑑真(がんじん)です。その後、鑑真は唐招提寺を建立し律宗の繁栄に繋がります。
国を守る役割をもった仏教が栄えるようになると、政治家と宗教者の癒着が目立つようになってきました。そこで、奈良仏教の影響を排除するために桓武(かんむ)天皇が都を京都に移し、奈良の寺院はそのまま残しつつも京都には新しい清らかな仏教が入ることを望みました。この時代に修行した人の中から、最澄(さいちょう)と空海(くうかい)がそれぞれ日本の天台宗と真言宗を興しました。
天台宗は、大乗仏教の流れを組む宗派です。すべての人が仏に成れると説く『法華経(ほけきょう)』、後期大乗仏教である密教、止観(しかん)とよばれる瞑想、戒律の四つに重きを置き、どのやり方から入ってもよいとしています。総本山は、比叡山延暦寺です。
真言宗は、密教の教えを中心に据える宗派です。真言とは、仏様のまことのことば、という意味であり、本来、人間の言語活動では表現できないこの世の真理、隠された秘密をあらわすとされます。中心になる仏は、宇宙の本体とされる大日如来(だいにちにょらい)で、現在の身のまま成仏し大日如来を体の中に感じられるという即身成仏が教えの中心となりました。
平安時代なかばごろから鎌倉時代にかけて、「時が経つにつれ釈迦の正しい教えが失われ、悟る人もいなくなる」という末法(まっぽう)思想が流行しました。また、大雨・洪水・冷気・干ばつなどの天災が多く起こり、その結果として農作物が取れなくなって人々が飢え、疫病も流行しました。これを克服する思想を持った、この時代に新しく興った仏教を鎌倉新仏教と呼びます。この新仏教について解説していきます。
*開祖は主に日本における開祖を指す
浄土宗は、法然(ほうねん)を開祖とする浄土系の宗派です。彼は、精神集中して仏様や浄土(きよらかな世界)をイメージするのではなくて、ただ『南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)』とひたすら唱えること、すなわち念仏によって極楽へと往生することができるという構想を得て、浄土宗を立てます。中心になる仏は阿弥陀如来(あみだにょらい)です。
浄土真宗は、法然の弟子である親鸞(しんらん)を開祖とする浄土系の宗派です。法然と同じく念仏を根本としながらも、絶対他力(ぜったいたりき)を重視しました。絶対他力とは、自分の力で悟ることができるなどとおごることなかれ、人は阿弥陀如来の本願(ほんがん)によってのみ救われることができるのだ、という思想です。
融通念仏宗は、平安時代の終わりごろ、天台宗の僧侶である良忍(りょうにん)が開いた宗派です。総本山である大念仏寺によると、融通念仏とは『念仏を称えることによって、人と人、人と物、物と物とのすべての関係の上に融通和合の世界を自覚し、苦脳と迷いのこの世を喜びに満ち溢れ、悟りの智慧かがやく楽土(浄土)にすることをめざした教え』とされています。
参考文献:融通念仏とは|融通念佛宗総本山 大念佛寺
時宗は、一遍(いっぺん)によって開かれた宗派で、浄土系の教えです。彼は、かつて阿弥陀如来が修行によって仏になったときにその本願は成就され、信仰の有無に関係なく念仏さえ唱えればすべての人々が極楽に往生することは決定されていると考えました。
日蓮宗は法華宗(ほっけしゅう)とも呼ばれ、日蓮によって開かれた宗派です。天台宗の項でも述べた『法華経』こそが釈迦の本懐であると考え、法華経に帰依すると意味である『南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)』という法華経の題目を唱えることを重視しました。
日本における臨済宗は、日本の禅の宗派の一つで、栄西(えいさい/ようさい)を開祖とします。姿勢を正して坐った状態で精神統一を行う、禅の基本的な修行法を坐禅もしくは座禅(ざぜん)といい、この座禅を行うことによって悟りを会得します。浄土系の他力本願と対比して自力と称されます。
日本における曹洞宗も、日本の禅の宗派の一つで、道元(どうげん)を開祖とします。曹洞宗では、『只管打坐(しかんたざ)』といってただひたすら坐禅をすることを重んじます。臨済宗が武家政権に広まったのに対し、曹洞宗は下級武士や一般の民衆に広まりました。
黄檗宗は、鎌倉時代ではなく江戸時代に始まった、日本の禅の宗派です。日本において黄檗宗を開いたのは、いんげんまめで知られる隠元(いんげん)です。臨済宗や曹洞宗は日本に伝来後、日本風に徐々に変わっていったため、隠元は本来の臨済宗の教えを伝えるため、新たに黄檗宗を形成するに至りました。
参考文献:日本の禅 臨済宗・黄檗宗の公式サイト 臨黄ネット
今回は仏教について詳しく紹介しましたが、歴史や宗派について少しでも参考になれば幸いです。系統分けしたものをまとめましたのでこちらもぜひ参考にしてください。
日本の仏教のまとめ | |
奈良仏教 南都六宗 | 法相宗、倶舎宗、三論宗、成実宗、華厳宗、律宗 |
---|---|
平安仏教 密教系 | 天台宗、真言宗 |
鎌倉仏教 浄土系 | 浄土宗、浄土真宗、融通念仏宗、時宗 |
鎌倉仏教 法華系 | 日蓮宗 |
鎌倉仏教 禅系 | 臨済宗、曹洞宗、黄檗宗 |
参考文献:
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