仏教が由来の日常の言葉
私たちが日常的に使っている言葉のなかには、仏教由来のものが多々あります。何気なく発する言葉が、実は仏教から来たものだったなんて、ちょっと面白いですよね。日本人は「自分は仏教徒である」という自覚がないといわれますが、仏教的な言葉は、常に身近にあるのです。仏教が由来の言葉と、そもそもの意味について解説します。
納骨堂辞典 > 納骨堂コラム > 文化・歴史 > お会式(おえしき)とは?
関東にお住いの方であれば、お会式(おえしき)という言葉を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?東京都大田区にある池上本門寺で行われるお会式は安藤広重の版画にも描かれているくらい歴史ある有名な行事で、毎年30万人以上の見物客が集まり、宗教行事としては関東随一として知られています。しかし、このお祭りが鎌倉時代の仏教の僧、日蓮聖人にちなんだ行事というのは知らない方も多いのではないでしょうか?お会式はどんな行事で、どんなことが行われているのか?今回はお会式についてご紹介します。
開祖をしのぶために命日に合わせて行われる法要のことを「お会式」と言います。しかし、一般的に知られているお会式は日蓮聖人の命日とされる10月13日前後に行われる法要のことで、「お会式=日蓮宗」というイメージが定着しています。鎌倉時代、日蓮聖人が入滅した日に季節外れの桜が咲いたという逸話があります。このことから、信者たちがお寺に桜を飾り、手にちょうちんを持って集まり、日蓮聖人をしのぶ法要を行うようになったといわれています。お会式が盛んになったのは江戸時代に入ってからで、ちょうちんに桜の紙花を飾ったお会式万灯行進が行われたのもこの頃です。現在では全国100カ所以上のお会式が行われています。もちろん、本来の意味通り、日蓮宗以外のお会式も各地で行われています。
日蓮聖人の入滅地とされる池上本門寺のお会式は全国でも最大規模を誇ります。10月12日夕方6時になると3,000名もの行列が池上徳持会館を出発し、2キロ離れた池上本門寺を目指します。笛や太鼓や当たり鉦(しょう)の音色に合わせて、纏(まとい)を振り上げ、うちわで踊り、そして、全国から集まった百数十基の万灯が練り歩きます。万灯とは、四角い木枠に紙をはって箱の形にし、「某社御祭礼・氏子中・子供中」などと書き、下に長い柄をつけてささげ持つもので、仏前に掲げられた数多の灯明はなんともきらびやかで見ごたえがあります。かつて、万灯には「仕掛け万灯」と呼ばれた、仕掛けを施した万灯があったそうです。今でも色鮮やかなものや、五重塔を模したもの、中に人形が入っているなど、とても個性豊かなものばかり。万灯が通ると、見物客から大きな歓声が上がります。
このにぎやかなお祭りは13日の明け方まで続きます。そして、日蓮聖人が亡くなられた朝8時を迎えると、かつて、ご入滅を告げる鐘が打ち鳴らされたように、「臨滅度時の鐘」を鳴らし、全員で合掌礼拝を行い、日蓮聖人をしのびます。
まさに、華やかさと、厳かさを兼ねそろえた素晴らしいお会式です。
世界遺産の法隆寺では、なんと奈良時代から続いているお会式が今も執り行われています。しかし、しのぶ相手は日蓮聖人ではなく、奈良時代のスーパースター、聖徳太子です。当初は聖徳太子の命日といわれている2月22日に行われていましたが、太陽歴が採用されたことで、現在では毎年3月22日から24日までの3日間行われています。法隆寺の多くの法要の中でも、特に重要な法要とされており、法隆寺と聖徳太子のゆかりの深さを感じます。この日には秘仏とされる「聖徳太子坐像」がご開帳となることもあり、全国から多くの人が訪れますが、池上本門寺に比べて、地域に根付いた行事として地元の人が大勢集まっています。
お会式は池上本門寺の万灯行列だけをピックアップするとお祭りといった印象が強いかと思いますが、本来、お会式とは開祖をしのぶ法要です。しきたりや礼儀を守って、楽しむと良いでしょう。法隆寺のように、お会式は日蓮宗だけに限らず、全国各地でさまざまな形態で行われています。この機会に、ぜひお近くのお会式を訪ねてみてはいかがでしょうか?
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